○多気町議会基本条例
令和3年9月8日
条例第26号
目次
前文
第1章 総則(第1条)
第2章 議会と議員の活動原則(第2条・第3条)
第3章 町民と議会の関係(第4条)
第4章 議会と町長等の関係(第5条―第8条)
第5章 民主的議会運営と議会機能の発揮(第9条―第11条)
第6章 議会改革の推進(第12条)
第7章 議会・議会事務局の体制整備(第13条)
第8章 議員の政治倫理及び待遇(第14条―第17条)
第9章 最高規範性及び見直し手続(第18条・第19条)
附則
前文
多気町議会(以下「議会」という。)は、町長とともに町民の直接選挙によって選ばれた議員によって構成され、町民を代表する合議制の機関として、二元代表制の特性を生かし、最良の意思決定を導く使命を持っています。
今、地方の時代を迎えて、地域における民主主義の発展と町民福祉の増進と向上に果たす役割はますます大きくなっています。
このため議会は、議会と議員の活動原則を定め、町民や町長その他の執行機関(以下「町長等」という。)との関係を明確にして緊張ある関係を維持しながらその持てる権能を十分に発揮して、高い使命感を持って職務に取り組み町民の負託に応えなければなりません。
議会は、豊かで明るく住みよい多気町と、開かれた町民参加型の議会を目指して、議会改革を継続し、発展させるために「多気町議会基本条例」を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、議会と議員の活動原則を明らかにし、議会運営の基本的事項を定めることにより、町民参加型の開かれた議会を目指し、豊かで住みよい町の未来に向けたまちづくりと町民の福祉の増進と向上に寄与することを目的とします。
第2章 議会と議員の活動原則
(議会の活動原則)
第2条 議会は、町民の代表機関であることを常に自覚し、公正性、透明性、信頼性を重んじた議会を目指し、次に掲げる基本原則に基づき活動します。
(1) 町行政全体を把握・分析し、町民のための行財政運営が適切に行われているか監視し、評価します。
(2) 町民の多様な意見、要望の把握に努め、議論を尽くし、町政に反映させます。
(3) 意思決定に当たっては、議員間の自由討議を大切にします。
(4) 議会は、本会議のほか、常任委員会、特別委員会、全員協議会を原則として公開とします。
(議員の活動原則)
第3条 議員は、町民に負託された議員であることを自覚し、次に掲げる基本原則に基づき活動します。
(1) 町民の信頼に応えるため、自己の能力、資質の向上に努めます。
(2) 町政の現状と課題全般について、町民の意見を的確に把握し、町民の信託に応える活動をします。
(3) 個別的な事案の解決だけでなく、町行政の発展、町民の福祉の増進と向上を目指して活動します。
(4) 議員に求められる政治倫理と品位を常に自覚して行動します。
第3章 町民と議会の関係
(町民参加及び町民との連携)
第4条 議会は、議会の活動に関する情報公開を徹底するとともに、町民に対する説明責任を十分に果たします。
2 議会は、町民及び町内各種団体との意見交換の場を設けて、議会の説明責任を果たすとともに、政策提案の拡大を図ります。
3 議会は、議会広報を発行し、議案に対する各議員の賛否等、一般質問の要旨及びそれぞれの常任委員会、特別委員会、視察研修等の活動を公表し、議会の活動に対して町民の評価が的確になされるよう情報の提供に努めます。
4 議会は、町民からの議会・町政に関する要望、提言の聴取に努めます。
第4章 議会と町長等の関係
(議会及び議員と町長等の関係)
第5条 議会及び議員は、町長等との立場及び権能の違いを踏まえ、議会審議における町長等との緊張ある関係の保持に努めます。
2 議員と町長等との質疑応答は、広く町政上の論点、争点を明確にするよう努めます。
3 一般質問において、町長等は議員の質問に対して議長の許可を得たのちに、質問の論点、争点を明確にするために質問の趣旨を問いただす範囲において反問することができます。反問時間については、一般質問制限時間には含みません。
(町長による政策等の形成過程の説明)
第6条 議会は、町長が議会に政策、施策、計画、事業等(以下「政策等」という。)を提案するときは、議会審議の水準を高めるため、次に掲げる政策等の決定過程を説明するよう必要に応じ求めることができます。
(1) 総合計画等との整合性
(2) 政策等を必要とする根拠と提案に至るまでの経緯
(3) 他の自治体の類似する政策等との比較検討
(4) 関係ある法令及び条例等
(5) 政策等の実施に関わる財源措置
(6) 将来にわたる政策等のコスト計算及び投資効果
2 議会は、前項の政策等の提案を審議するに当たっては、それらの政策等の水準を高める観点から、立案、執行における論点、争点を明らかにするとともに、執行後における政策評価に資する審議に努めます。
(予算・決算における政策説明資料の提出)
第7条 議会は、予算及び決算の審議に当たっては、町長等に対し前条の規定に準じた説明資料の提出を求めることができます。
(議決事件の拡大)
第8条 議会は、予算や条例など議決すべき事項のほか、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第96条第2項の規定により、議会の議決すべき事件について独自に効果的に活用し議決事件の拡大に努めます。
2 前項の議会の議決すべき事件については、「多気町議会の議決すべき事件を定める条例(平成23年多気町条例第23号)」で定めます。
第5章 民主的議会運営と議会機能の発揮
(自由討議による論点、争点の整理等)
第9条 議会は、その意思決定に当たっては、議員間で自由かったつに議論を尽くして論点、争点の整理に努めます。
2 議員は、自由かったつな討議を経て、政策、条例等の議案の提出を積極的に行うよう努めます。
3 議会は、必要に応じて専門的知識を有する者等の知見を積極的に活用することができます。
(請願・陳情者の意見聴取)
第10条 議会は、請願及び陳情の審査においては、必要に応じて提案者の意見を聴く機会を設けるものとします。
(議員研修の充実)
第11条 議会は、議員の政策立案や議会運営の能力を高めるために、議員研修の充実を図ります。
第6章 議会改革の推進
(議会改革の推進)
第12条 議会は、議会改革を推進し、継続的に取り組むため、全議員で構成する議会改革特別委員会を議会のもとに設置します。
2 議会は、地方の時代にふさわしい議会の在り方についての調査研究を行います。
第7章 議会・議会事務局の体制整備
(議会事務局の体制整備)
第13条 議会は、議会及び議員の政策形成・立案機能を高めるため、議会事務局の体制強化に努めます。
第8章 議員の政治倫理及び待遇
(政治倫理)
第14条 議員は、町民の代表として常に政治倫理の向上に努めます。
2 議員の政治倫理については、多気町議会議員政治倫理要綱(平成18年多気町議会要綱第1号)で定めます。
(議員定数)
第15条 議員定数の改正に当たっては、行財政の視点からだけでなく、町政の現状と課題、将来の予測と展望について十分に考慮します。
2 議員定数の条例改正案は、法第74条第1項の規定による町民の直接請求があった場合及び町長が提出する場合を除き、議員定数の明確な改正理由を付して、委員会又は議員から提出します。
3 議員定数は、多気町議会議員の定数を定める条例(平成19年多気町条例第15号)で定めます。
(議員報酬)
第16条 議員報酬の改正に当たっては、行財政の視点からだけでなく、町政の現状と課題、将来の予測と展望について十分に考慮します。
2 議員報酬の条例改正案は、法第74条第1項の規定による町民の直接請求があった場合及び町長が提出する場合を除き、議員報酬の明確な改正理由を付して、委員会又は議員から提出します。
3 議員報酬は、多気町議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例(平成18年多気町条例第36号)で定めます。
(長期欠席議員の議員報酬の減額)
第17条 議員が長期にわたり議会活動ができない場合は、議員報酬の減額を行います。
2 議員報酬の減額については、多気町議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の特例に関する条例(平成31年多気町条例第42号)で定めます。
第9章 最高規範性及び見直し手続
(最高規範性)
第18条 この条例は、議会の最高規範であり、議会に関する他の条例などを制定し、又は改廃する場合において、この条例と整合を図るものとします。
(見直し手続)
第19条 議会は、社会情勢の変化を踏まえ、この条例の目的が達成されているかどうか全議員で検証を行い、改正が必要と認められる場合には、適切な措置を講ずるものとします。
2 議会は、この条例を改正する場合には、本会議において、改正の理由及び背景を説明します。
附則
この条例は、令和3年10月1日から施行する。