多気郷土資料館企画展(夏季)のお知らせ
知的好奇心が開いた世界~本草学・博物学・博覧会~
今年、日本では6回目となる万博、「2025年日本国際博覧会」が10月13日まで大阪で開催されています。その開催を記念し、異文化交流に注目した企画展を行います。
博覧会の源流をたどれば、本草学という学問に行きつきます。古代中国で始まった本草学は、薬になるモノを求めて、植物や動物、昆虫、鉱物等、自然界のあらゆるものを研究対象としました。奈良時代に日本に伝わった本草学は江戸時代に盛んとなり、西欧の影響によって、しだいに博物学的な傾向を強めていきます。博物学は薬用を目的とせず、自然に存在するものの種類や性質等を記録、分類して自然の成り立ちそのものを理解しようとする学問です。本草学に関心を持つ人たちは、蒐集した標本等を物産会と呼ばれる展示会に展示、互いに知識・情報を交換することで豊かな「知の世界」を作り上げました。このような物産会が博覧会の原型とされています。人々の知的好奇心が人間を取り巻く自然、世界の様々な事物への探究心を深め、万物を知り尽くそうとする学問の発展を促し、科学技術や各種産業の発達につながっていきます。
多気町は野呂元丈(1694~1761)と西村広休(1816~1889)という二人の本草学者を生みました。本草学・博物学・博覧会に関連する資料の展示を通して、二人の業績とともに、人間の持つ知的好奇心が異文化への関心を高め、この世界に物質的にも精神的にも「豊かさ」をもたらしてきた歴史を知っていただければと思います。
オランダ通詞吉雄幸左衛門から元丈に宛てた手紙
野呂弘昭氏蔵

西村広休 画 山本亡羊 賛
石鶏図 当館寄託

平和記念東京 博覧会案内図
『歴史写真』大正11年4月号附録 当館蔵

日本万国博覧会ミニマップ
昭和45年 当館蔵
展示期間
令和7年7月18日(金曜日)~9月21日(日曜日)
場所
多気町多気郷土資料館(多気町相可1620 多気郡教育会館1階)
開館時間
午前9時から午後4時まで
休館日
月曜・祝日
入館料
無料
お問い合わせ先
多気郷土資料館 0598-38-1132
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更新日:2025年07月01日