都市計画の目的と体系
みんなのルール/都市計画
都市には、多くの人が集まり、働き、学び、遊び、そして生活しています。もし、誰もが自分の都合だけで生活したり、仕事をしたりすると、他の人の生活や仕事に迷惑をかけたり、全体から見ると不都合な場合があります。例えば、住宅地の真ん中に、自分の土地だからといって大きな店や工場を建てる人がいたらどうでしょうか。周りの住宅では陽が当たらなくなり、静かな住宅地だったところが店や工場に出入りする人や車で騒がしくなり、道路も車であふれることになりかねません。このように、都市では自分の土地を使うのにも、周りのことを考えないと大勢の人に迷惑をかけることになるのです。
ですから、大勢の人が生活している都市では、土地の使い方や建物の建て方にマナーが必要なのです。こうしたマナーをみんなに共通のルールとして定め、それをおたがいに守っていかなければなりません。
また、都市で生活し、働いていく上で道路、公園、下水道などのまちの骨組みとなる公共施設は欠かせません。例えば、住宅地といっても、建物の建つ敷地だけがあればよいのではなく、道路などの公共施設があってはじめてそこで暮らせるのです。
こうしたみんなに共通の都市施設は、まちの中の住宅などの分布、人や物の流れ、他の都市との関係などを考えて、あらかじめ計画を立てておき、それに従って整備をしていく必要があります。
さらに、新しいまちをつくったり、古くなったまちをつくり直すためにも、まち全体の中でのその地区の役割などを考えて、計画的に進めていくことが大切です。
まちの中の貴重な自然をみんなで守り、残していくことも、まちづくりの中でこれからますます重要になります。
このような土地の使い方や建物の建て方についてのルールをはじめ、まちづくりに必要な多くのことがらを、相互の関係を考えながら県や町が定めているのが「都市計画」なのです。
(一般財団法人日本経済教育センター 平成6年発行 図説・経済教育資料「よりよいまちづくりをめざして-都市計画制度のはなし-」より引用)
都市計画の体系
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更新日:2021年03月29日